

一昨年の夏に北海道のトムラウシ山で起きたツアー登山パーティ遭難事故を、緻密かつ粘り強く調査、検証したものです。
メディアの報道では結局、安直に、ガイドの判断ミスと低体温症によるものと結論づけられたようですが、確かにまず天候を読み間違えたことがら端を発しているとはいえ、遭難してからの18人のツアー参加者それぞれが個性を出し始めて統制が取れなくなり、崩壊している過程が非常に生々しく報告されています。
自分可愛さに虫の息となっている者を見捨てたり、ガイドをなじったりする者が出てくる過程では憤りを覚えるものの、果たして自分がその状況にあったなら、どうしているものやら……
つい、今の日本の政治や経済と照らし合わせてしまったのは、考えすぎでしょうか。