

佇まいが昭和そのものなら操作感も昭和そのもののフィルムカメラです。
それも時期を限って言えば昭和40年代から50年代にかかる頃でしょうか、果たして技術立国といわれる日本ですが、今から考えると日本人もかつては、随分といい加減なものでも非常に有り難がっては、数え切れない欠点を当たり前のように受け入れて使いこなしていたもので……
しみじみとそんなことを考えさせられるのがこのヤシカです。
実物は非常にプラスチック感の強いチープなもので、フィルム感度、露出など設定も適当、シャッターボタンの半押しは無いに等しく、セルフタイマーも10秒(実際は7、8秒)という短さ、そのうえシャッターボタンにロックがないもので、咄嗟に握ったり、裸でバックに入れておくと何かの拍子に思わないところでシャッターを押すことになってしまっていたりと……
このあたりは今にして完全にトイカメラとして捉えて認識しないと呆れてものもいえなくなります。(苦笑)
但し、38mm f/3.8、3群3枚のレンズは質、コーティングともにまずまずなもの、そして、採光式ファインダーを覗いての景色はリアルですので、先述のトイカメラ風の操作感さえ上手く使いこなせれば、フラッシュ内蔵ながらデジカメと違って起動を待たなくても良かったりすることも含めて、それなりに優れた写真も撮れるものなっています。
本体の他、レンズカバー、合皮ながらなかなかしっかりしたカメラケース、ストラップが付属します。
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