

ロータリーディスク式という今ではちょっと変わった絞り方式を持つ、ソニーEマウント向けの単焦点レンズです。
ロータリーディスク方式というのは、大きさの違う穴の開けられた円盤が回転してレンズの絞りを変えていく、非常に原始的(?)な方法。果たして現代において一般的にレンズの絞りというと、レンズの筐体内に重ねて設えられた羽根が絞りに合わせて穴を狭めていく方法を採るものですから、そんな方法では穴から穴へ移るインターバル時に暗転してしまわないかと疑問を持ってしまう方もおられましょうが、そこは穴と穴の間隔が絶妙に取られてレンズに入る光が途切れないようしてありますので心配はありません。
そして、これはこのレンズの、原始的な方法を採るだけの利点であり、また、モチーフとの微妙な距離感に合わせ難いというネガな部分でもあるのですが、開けられた穴(つまり絞り)に合わせてレンズが調整してありますので、どの絞りでも真円のボケ味が出、焦点域がシッカリ出せる性質を持ちます。
この特性を使うと、静止画ではしっかりとボケ味が出せるのはもちろんですが、とりわけ動画撮影時に非常に面白い演出感が出せます。
ちょっと古い映画(如実なところでイタリア製西部劇、いわゆるマカロニウェスタン)などで見られる、初め手前のモチーフに焦点を合わせておいて、そこからジワリと背後のモチーフの焦点が移っていく演出がありますが、それがこの品ではできます。これは焦点の移るタイムラグが手前のモチーフと背後のモチーフとの距離感、そして観る者の意識(人間の視力)移り変わりを表現できるなかなか面白いものです。
レンズ全体はコンパクトで軽量で、解像度も抜群ではありませんがかなり高いほうです。
※ソニーのEマエント向けで、対応機種は、NEX-3、NEX-5、NEX-VG10、NEX-FS100になります。
[仕様概要]
焦点距離:28mm (35mm換算で42mm)
絞り値:f2.8 f22
フォーカス:マニュアルフォーカス
最短撮影距離:0.3m
レンズ構成:4群5枚
絞り羽:絞りローターディスク方式
長さ:4cm
重さ:280g
マウント:ソニーEマウント
フィルター径:37mm
付属品:フロントキャッップ、リアキャップ、クイックガイド付き
製造国:香港