
1976年にヤマハから輩出されたステレオパワーアンプ、B-2のレストア品です。
ヤマハ初のFETコンプリメンタリープッシュプル構成で設計されたB-2は、受注生産されていたオールFETモデルのB-1を一般に手に入れ易くするために開発されたもので、B-1で採用された3極真空管に似た動作をする自社開発のV-FETを改めて吟味、新たに小型FETを開発、バイポーラトランジスタと組み合わせて、力強さよりバランスを重視した仕立てとなっていました。
それでも、当時のサラリーマンの平均月収と変わらぬ価格で易々と手に入れられるものではなかったものですが、年月を経たこの品は、天板の再塗装、電源スイッチノブ修理跡があるなど、価格とともに外観も年代物相応のものとなりますが、電源ケーブルを始めとして、電源部大容量コンデンサ以外の電解コンデンサも全て新品に交換し、発火防止のために全てのカーボン抵抗を新品にしてグラスチューブを巻いてレストア、バイアス、DCオフセットも調整してあるもので、往時のニュアンス表現の繊細さ、奥深さは健在、震災により甚大な被害を受けた宮城県に在るショップ店主により、充分な時間をかけて丁寧に手直しされているものになっています。
