

イギリス製のレアなスーパーカー、ジャガー製V型12気筒エンジンを積んで僅か4台して製作されなかったという、リスター・ストームのミニチュアモデルです。
元祖リスターは1954年、ケンブリッジの鉄工所経営者、ブライアン・リスターにより起こされ、自作のシャシー及びボディにMGやブリストル、マセラティやジャガー、GMのエンジンを積んで1950年代半ばの欧州レースシーンをにぎわせますが、いかんせん所詮は小規模のバックヤードビルダーであることから資金難に陥り、1958年に歴史にピリオドを打っています。
それが1986年、往年の活躍を知っていたローレンス・ピアースにより、リスター・カーズ・リミテッドとして再建され、ジャガーXJRベースの5.3リットル車が約90台売り出され、FIA・GT選出権にも参戦しています。
この品は、新生リスターが、オリジナルのスーパーカー製作を目論んで1991年から2年の開発期間を経て、同じくジャガー製ながら7リットルのV型12気筒エンジンをフロントに積んでの後輪駆動車、つまりFR車として輩出したもののミニチュアモデルです。本物のリスターが4台しか製作されなかったのは、余りに高価格で採算が合わなかったためだそうです。
思えば新生リスターがオリジナルのスーパーカー作りを始めた頃というのは、時期的に、ジャガーとトム・ウォーキンショー・レーシングの合資会社、ジャガースポーツで内紛が燻り、ウォーキンショー側が強引にXJR15を製作してワンメイクレースを計画するなど、同時期にロードカーとしてスーパーカーのXJ220を輩出していたジャガーとの対立が明らかになり始めていた頃、リスターにお宝のV型12気筒エンジンを供給し、FR車を作らせるとは、ジャガー側の当てこすりだったのかもしれません。
尚、新生リスターは今も健在で、シボレー製V型8気筒エンジンを積んだリスターGTSで1995年、2000年のル・マンにも出場しています。
※レアものですので売り切れの際はご容赦ください。