




⇒ ブルータイプ
⇒ ポリッシュタイプ
ホンダのハイブリッド・スポーティカー、CR-Z(DAA-ZF1 LEA)用の、エンジン出力にメリハリを出させるうえで燃費向上にも寄与する、MT/CVT車共用のマフラーです。
ガソリンエンジンによる駆動とバッテリーによるモーター駆動を同調させるホンダ独自のハイブリッドシステムを搭載したCR-Zですが、いかんせんハイブリッドという環境保護に対応したシステムと、スポーティカーという運転を楽しむための存在の組み合わせが些か矛盾するように思えてか、また、まだまだミニバンに一目おかれる時代にあっては4座席を備えていても実質的には2人乗りの2ドア車は、ろくに人も荷物も載せられない利便性に薄いものと捉えられてか、甚だ趣味性の強いものとしていまいち世間の理解度は低いようです。
とはいえ、日頃、使ううえでは1人か2人しか乗らないし、荷物も余り乗せることがないという自動車の使い方をする方には、軽自動車では得られない安全性と操縦安定性の高さ、それが必要最低限の構成で具現されたうえで燃費が良いという意味では非常に稀有な存在といえます。
例えば車高が低いのも、スタイルだけでなく、空気抵抗を考慮したものであるのは、実際に乗り込んでみると、当然、車高が低いだけにシートの着座位置も低くなる訳ですが、日本人の平均より大きい身体の管理人(身長180㎝、体重80㎏の筋肉質体型)にも窮屈を感じない程度にホールド性があり、剛性も問題ないように配慮されており、ホンダ車の傾向であるフロント・ウィンドウの面積の大きさからくる視界の広さも、慣れていない方でも見えるに越したことはないことから安全運転をするうえで有用になっていることから伺えます。
そして、ハンドル操作をするうえでの感覚、それはパワ・ステの調整から始まって車体、車重とそのバランスは良く、付随する機器や部品もカッチリと取り付けられているようで不安を覚える曖昧さも感じません。シフト操作についても、欧州向けシビック用が元にされているだけに安心感のあるものです。
走らせても、あくまでドライバーの操作を端正にこなしていく従順さがあり、エンジンの力に対して車体全体の剛性がマージンを取られて作られている、いわゆる"シャシが勝った"クルマで、タイヤもスポーツタイプのもので多少は燃費が犠牲になっているでしょうが、ハンドル操作をするうえで、安全を確保するために路面状態を察知するのにも大いに役立ちます。
ただ、これが日々、使い、ちょっとしたドライブなどで走りこんでみと、アクセル・ペダルを踏み込んで走られせていくと、エンジンが出している力と、その回転の仕方、発生する音との感覚が一致しないことがあります。それはシャシが勝っているために尚更、そう感じるのですが、「あぁ、もうちょっとメリハリがあるエンジンセッティングにできなかったのか」と考えてしまうのです。
しかし、ハイブリッドシステムというものは、トヨタをしてプリウスを作るうえで、環境性能と安全性、また運動性をバランスさせるために、モデルチェンジする度に機構を変えたり、また古い機構を改めて使ってみたりと試行錯誤するほど、同じくホンダとて同等の苦労をして仕上げているものですから、エンジンに手をいれることなど容易にできるものではありません。仮に、いわゆるエンジンチューニングするとなれば、システム全体とのバランスを取らねばならないために莫大な改造費がかかることになります。
しかし、一般ドライバーにも、できないことがないという訳ではありません。それが、車検対応の交換マフラーです。元々マフラーというものは、タイヤやブレーキと同じく消耗品の部類に入るもので、今のところは根本をなすシステムとは別にされていますから、交換してもシステムに障害を与えることありません。
さて、そこで、CR-Zをして、エンジンが出している力と、その回転の仕方、発生する音との感覚が一致しないと先述しましたが、これは、標準に備えられているマフラーの排気効率が悪い場合によくあることです。
さりとて、例えばレーシングカーなどは、排気パイプの排気ガスの流れを良くし、当然のごとく消音器も使いませんが、これは排気効率が高まることによりエンジンの高回転化にも寄与するものの、シリンダー内の混合気を良く燃やさないうちに輩出させてしまうことになり、よって低回転では力が出ず、燃費も悪くなってしまうことになります。レーシングカーにはパワーがあるというは定説ですが、そのバワーの源はエンジンの回転力にあり、つまり、極端な話ですが、坂道などを助走を使わず登ったなら、普通車より劣るものはざらなのです。
果たしてエンジンの本来的な力を導きながらも燃費も良くしようとすると、排気ガスの排出の効率と、シリンダー内の混合気をしっかり燃やさせるだけの抵抗のバランスが肝要になってくる訳ですが、今回、紹介しているマフラーは、コストを意識して開発しなければならないメーカー標準品と違い、独自のP.B.S(パワー・ブースト・システム)を搭載し、そのバランスが取られているものなっています。電装系の多いCR-Zのために、念のためにアースも備えています。
特徴としては、まず直線の強いパイプで排気効率を高めながら、消音器部分を大きめにすることにより排気ガスの排出に一定の抵抗をもたらすように、つまりチャンバー効果をもたらして低中回転域でのトルクとパワーを上げさせ、そして、そこからカッター部分に向けたパイプ内にフィン(羽根)を設えることにより排気ガスに回転を加え、つまり、回転させることにより推進力を与えながら排気スピードをあげさせ、エンジンの高回転を阻害する消音器内に溜まりすぎた排気ガスをスムーズに出すというシステム構成になっています。
これは力を出させる、つまりしっかりとガソリンを燃やさせることになっている訳ですから、燃費阻害するものではありません。データでも10%前後の燃費向上が望めるとなっていますが、いえ、それが本来的なCR-Zの環境性能といえるのではないでしょうか。
ハイブリッド・スポーティカーという稀有な存在であるCR-Zに本来的な性能を発揮させ、走る楽しさと安全を確保して末永く乗りたいという方には、最適なマフラーの一つといえるかもしれません。
適合型式:DAA-ZF1
適合エンジン:LEA (1,496cc)
適合グレード:CVT車/6速マニュアル車共用
適合年式:H22/2~ 2010年新規制適合/車検対応