
コレクタ損失30Wという出力の小さめのトランジスターを6つ使用しての3パラレルプッシュブル仕様で、透明感を保持しながら奥に拡がるような音場型の鳴り方をする、1980年代後半に輩出されたプリメインアンプ、ローテルの870BXのレストア品です。
前身をローランド電子と名乗り、1970年代に製品名と会社名を同様したローテルと変更、ハイエンドではなくもっと身近に、廉価にオーディオコンポーネントに高性能を追求できないかと、英国人技術者(トニー・ミルズ)を招いて"Balanced、Design、Concept and Straight Through"を基本理念に独自の"音"追求をしてきたメーカーですが、この品も、冒頭で記した小出力のトランジスタを複数用いての3バラレルとしているのに始まり、高級モデルのようにプリとメインをジャンパープラグで繋ぐだけとして、増設、交換してのオリジナルな音作りに対応した柔軟性を備えるものになっています。
輸出メインのメーカーで一応、国内販売もしているのですが、知名度が殆ど無いことから、ショップのほうでもいまいちこの品について詳しい情報をご存知ないようで、レストアは電源ケーブルの交換のみに留まられているようです。
筆者個人的に知るところでは、ボディは些か脆弱ですが、トランジスタは東芝製、ボリュームもアルプス製などと、先述の英国人技術者の意向から電源部の強化とともに耐久性を備えるパーツが使用され、回路のストレート性と解像度高く、透明感あるバランス重視の品ですので、先述のようにパワーアンプやプリアンプの増設や、ジャンパーブラグをRCAケーブルに交換したりと気軽にオリジナルな音作りが楽しめるものです。
きちんと整備したものですが、あくまで中古品ですので、その点はご留意を。
尚、消費電力は380Wで、ピーク電流が50A(0.1Ω・10μsec・1pulse) のダンピングファクター180(20~20,000Hz,8Ω)となっています。