

形状記憶合金を利用して温度を感知して自動的にダクト部を開閉、ラジエータ部を始めとするエンジンに適切な量に通気を調整して温度調整し、燃費向上とともにエンジン内部の気流を調整しての空気抵抗減、ラジエータ保護とエンジンの汚れ軽減にも寄与する、産学共同開発による交換バンパーグリルです。
その具体的な仕組みは、可動する吸気口をして、形状記憶合金を素材にしたバネを使用し、その外気温に反応しての伸び縮みを利用して開閉度を調整するもので、つまり、電源および配線が不要、純正グリルと交換設置するだけで半永久的に動作するシステムとなっています。
現在は装着するに最も効果のあるハイブリッド車専用として、トヨタのアクア、プリウスおよびプリウスα、そして新たにトヨタでカローラ・フィールダー、レクサスCT200h、ホンダのフィットに向けられた品が加えて用意されているものですが、基本的にハイブリッド車に限らず、純正のラジエータ部前に備え付けられるグリルはあくまで最高気温域でオーバーヒートを防ぐ設定で設計され、保護性もそれとバランスさせて最低限のものとなっており、実情としては寒冷時期はオーバークールとなっており、端的なところではオイルの粘度を下げるなどしてエンジンの始動および作動に影響を与えているだけでなく、吸気が最大となっていることからの空気抵抗の増加、ラジエータ部への虫や砂利、タイヤやアスファルトのカスや融雪材などの汚れが大きいものとなっており、燃費軽減を阻害するものとなっています。
そこでこの品は吸気口を開閉させての冷却調整、独特のデザインによりラジエータおよびエンジンルーム内への汚れを防ぐととにも空気抵抗の軽減にも寄与することで、メーカー実験で純正グリルと比べてノーマル車との同時走行テストにおいて最大15.2%、平均で9.4%の燃費向上結果が出ているとのことです。
実際にこのグリルを装着したハイブリッド車(30系プリウス)を試乗してみての実感は、これは冬季になりますが、まずヒーターの効きはじめが早くなり車内の快適性に寄与することを確認、そして通常ではそれなりの距離を走った場合に起きるバッテリー残量減からくるエンジン作動時間が、車体下部に入り込む空気流入が減ることでバッテリー放電を防ぐためか、短かくなっていました。燃費低減を確認するまでに至りませんでしたが、エンジン作動時間が短いというのは燃費が少なく済むのは確実です。尚、空気抵抗についてはあくまで法定速度を守っての走行を心掛けましたので(苦笑)、実感には至りませんでした。
とにもかくにもこの電源および配線が不要の半永久の自動システム、まず価格的に少し躊躇してしまうところもありますが、長く乗ってその燃費性能のありがたさが判るハイブリッド車においては投資分としっかりと相殺するものとなっているようですので、興味のわかれた方は詳細から一度、チェックしてみてください。疑問がある場合の問い合わせにも産学共同開発品だけに丁寧に対応してくれます。
2014.2.24放送のテレビ東京、ワールドビジネスサテライトの「トレンドたまご」でも扱われました。