二種というのは、トーヨータイヤのガリットジーファイブ(TOYO GARIT G5)と、ピレリのウィンター・アイスコントロール(PIRELLI ICECONROL)です。
まずはトーヨーのガリットG5から。
⇒TOYO GARIT G5シリーズ一覧
基本的に乗用車また軽自動車向けなのがガリット、先代のG4はいわゆるアイス性能の良かった印象がありますが、今回テストしたニューモデルのG5、走り出したところでは余り変化は感じられませんでした。
ところが、実際にブレーキを踏み込んでみますと、ジトッとした感じで氷面を掴んでいる感じが先代より覚えられ、制動距離も確実に短くなっていました。
そして、ハンドル操作をしてみると、タイヤの角周辺がグッと食らいつく感じが体感でき、これはG4より確実に進化していることが感じられました。これはスノー性能においても同様。
どうやら構造的に剛性を高くすることによりグリップ感を高めているようですが、察するに昨今は除雪されたところを走ることも多くなっていることから、ドライ走行に対応したものと思えます。
乗用車また軽自動車の使い方を考えてみると、雪が深い時は走行を控えるのが普通ですから、ドライ走行への対応を考慮した仕上げは、一つの正解ではないかと思います。
次にピレリのアイスコントロール。
⇒PIRELLI ICECONTROLシリーズ一覧
アイスストームキューブの後継モデルとなるアイスコントロール、今回は12サイズが展開され、軽自動車からミドルクラス、そしてミニバンまで対応されることになったようですが……
幅を広げすぎると緩慢になるものですが、それは余計な危惧でした。
相変わらずピレリの真円感というか、転がり感の良さはスタッドレスといえども感じられるのですが、それも縦方向のグリップ性能が高いからでしょう。
特にそれが感じられるのはミニバンに装着したときで、背が高く重いクルマを走らせるとどうしても直進性が落ちるものですが、それは感じられず、ハンドル操作にもそのままギュッと曲がってくれる安心感がありました。
ただ、日本市場を意識したといってもやはりヨーロッパ・タイヤですから、余りタイヤの剛性感を高めず、横方向には自然に滑っていく感覚を残してあります。
これは雪中といえどもそれなりのペースで走らせる機会の多いヨーロッパ市場向けを作っていた名残りなのでしょうが、滑り出す感覚を会得してしまうと寧ろ、グリップ感が高く、どこで破綻するか想像しにくいタイヤに比べるとずっと安心感を覚えることができます。
以上、個人的には軽自動車および乗用車向けなのがトーヨーのガリットG5、そしてミニバン向きなのがピレリのアイスコントロールと結論したいと思います。